第5回: お月見 ―「後の月」十三夜 ―
木村ふみのうつわトーク
10月6日(2014年)は十三夜のお月見です。
お月見は9月8日(2014年)に十五夜「中秋の名月」と言われるものと、10月6日の十三夜「後の月」の両方をさす行事です。日本では中国から伝えられた中秋節に習って、平安時代に始まり観月の宴が催されたと言います。
9月の月見は「芋名月」とも呼ばれ里芋と団子、すすきに秋草などを供えます。一方10月の月見は「豆名月」「栗名月」と言い、豆や栗を供え月に願をかけます。
江戸時代になると、この風習は民間でも盛んにおこなわれるようになり「十五夜」と「十三夜」の両方の月を見ると良いとされ「片月見」は忌まれました。
そもそも、このお月見には様々な言い伝えがありますが芋類や豆類、稲の豊作を願いその収穫祭としても畑作儀礼であったようです。平安時代の「観月の宴」では縁に集い酒を酌み交わし、盃に映った月を見て歌を詠んだと言われます。
お月見を機に少しこだわった酒器やぐい飲みを揃え、「後の月」の秋の気配に熱燗を楽しむのも一興です。蓋付の珍味入れや豆や栗を入れる鉢などにもこだわりたいものです。