白磁の美しさと呉須染付の繊細さ
波佐見焼

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風土

やきものを生かした活気あるまち

400年の歴史と伝統を誇る「やきものの町」として、全国の一般家庭で使われている日用食器類をはじめとした和陶磁器の生産の町として繁栄してきました。産地間競争に打ち勝つため、生産性の向上や技術力、デザイン力の向上などに努め、基幹産業として波佐見町を支えています。商業においても、消費者ニーズにあった魅力ある商業・商店づくりに努め、活気に満ちた快適なまちづくりを進めています。

歴史

400年の伝統と庶民の暮らしに生きる波佐見焼

波佐見焼の誕生は今からおよそ400年も前にさかのぼります。慶長3年(1598)、秀吉の朝鮮出兵に参加した大村藩主・大村喜前は大陸の陶土・李祐慶兄弟たちを伴って帰郷しました。その翌年彼らが波佐見町村木の畑ノ原、古皿屋、山似田に連房式階段状登窯を築き、やきものづくりを始め、この時に波佐見焼は産声をあげました。当時の波佐見焼を代表するのが「コンプラ瓶」と「くらわんか碗」です。 白磁のどっしりしたコンプラ瓶は醤油や酒用ボトルとして、長崎の出島からオランダや東南アジアなどに向けて盛んに輸出され、世界中の様々んば歴史の場面に登場しました。一方、くらわんか碗は少し粗い白磁に呉須(藍色)で簡単な模様を描いた器で、それまで庶民の手が届かないと思われていた磁器碗を手頃な価格にしました。このせいか、たくさんの庶民の人気を得て、その後の日本食の発展に大きな影響を与えたと言われています。

現代

現代の名工たちによる匠の技

波佐見焼の特徴は透けるような白磁の美しさと呉須(藍色)で絵付けされた「染付」の繊細で深い味わいにあります。この伝統の技と心は職人から職人へ、確実に受け継がれ、さらにより個性的な作品となって現代に息づいています。過去から未来へ。そしていま。 生活に深く関わり、今日まで日本の食文化に大きな影響を与えてきた波佐見焼。歴史の重みに触れ、素晴らしい伝統美を肌で感じてみませんか。生活に根ざした新しい焼物の創造。 現代の暮らしと食文化に調和した波佐見焼は、様々なニーズに応じた一般家庭用食器から伝統的で華麗な工芸品、モダンなデザインのギフト用食器まで幅広く生産されています。また新しい技術と素材の開発によって、磁器の新たな可能性を追求しつづけています。

陶芸の里 中尾山「伝習館」「交流館」

陶郷中尾山の歴史は古く、江戸中期に生産が開始され、最盛期には160mを超える世界最大級の、巨大な登り窯群が膨大な量の磁器を国内はもとより海外にまで送り出し、「やきものの里」としてその名を知られてきました。中尾山のやきものに関する史料や古磁器をはじめ、各窯元のオリジナル作品が並ぶ山の中の小さなギャラリーが「交流館」です。また、本格的に土とふれあい、作陶ができ、宿泊施設も完備した「伝習館」があり、ゆっくりと滞在しながら木立に包まれた工房で、思う存分やきものづくりを楽しむこともできます。

やきもの公園

やきもの公園の一角にある「陶芸の館」は400年の歴史を持つ波佐見焼の伝統技術の伝承と後継者育成、そして新製品の開発のためにたてられました。1階は、陶芸教室と販売コーナー。2階では、古窯跡から出土した陶辺をはじめ、くらわんか碗や三股徳利などの歴史的史料が豊富に揃えられ、波佐見焼の歴史をたどれるようになっています。また、これまで生産された製品や伝統工芸士などの作品まで多彩な波佐見焼が一堂に展示されています。館内の絵付師ロボットのリアルな表情と語りは来館者に人気です。やきもの公園の小高い丘の上には、世界の代表的な窯12基が再現された「世界の窯公園」があります。ユニークで、世界でも珍しい窯の野外博物館は波佐見の新名所です。

波佐見陶器まつり

4月29日から5月5日まで「やきもの公園」を主会場に開催される長崎県最大の「やきもの」の祭典。町内約130の窯元・商社が出店し、多くの買い物客で賑います。大型テント内での販売もあり雨天でも安心して買物が楽しめるほか、ロクロ・絵付け体験も。波佐見をテーマにしたフォトコンテストもあります。

鴻ノ巣公園

美しい緑と水に恵まれた波佐見町。鴻ノ巣公園は、そんな素晴らしい自然の中に憩いの場・スポーツの場として造られた公園です。東の神六山公園、西の二ツ岳公園は、共に自然を生かした遊歩道が、素晴らしいパノラマ景観の頂上展望台へと導いてくれます。さらに、桜づつみは、桜並木が続くジョギング・サイクリングコースとして、波佐見の新しい名所となっています。

波佐見温泉

観光客に大人気の憩いの場と言えば。やっぱり何と言っても波佐見温泉です。泉質は重曹泉で、ツルツルとしたお湯は、美しい肌づくりに効果があるということで人気を集めています。効用は神経痛、切り傷、皮膚病等。8月28日に波佐見温泉夏まつりが行われ、演芸大会や花火大会など盛大に催され、夏の終わりを彩ります。

産地の団体

波佐見陶磁器工業協同組合
http://www.hasamiyaki.or.jp/
三川内陶磁器工業協同組合
http://www.mikawachi-utsuwa.net/