第2回: 「文様」の話
木村ふみのうつわトーク
日本の器には、様々な文様が描かれています。
文様は草花文であったり、魚や龍と言ったものから現代の幾何学文まで様々ですが、それぞれに意味があります。
日本人はその意味を上手にくらしの中に取り入れ、長寿やお祝い、子供の健康などを願ってきました。
例えば、網目文様は悪いものをすくいとってくれるとか疫病にかからないなどと言い、飯碗や取皿などによく使われています。
雪輪文様は、江戸時代後半に西洋から顕微鏡が入ってくると雪の結晶が研究され着物や器の柄によく使われ大流行しました。雪の多いい年は水が豊かでお米が豊作ということから、吉祥紋として定着したのです。
その他にも龍や鱗は出世の象徴ですし、双魚はお金がたまるという中国からの文様でもあります。
食卓を囲む時、器やその文様に眼を向けてみるとまた一つ器の楽しみがふえてきます。食事をしながら文様の持つ意味を話題にすれば、会話がより一層はずむのではないでしょうか。中国から伝わってきたもの、平安の時代から受け継がれたもの、江戸の町人たちが粋に使っていたものなど、それぞれの文様の背景には、それぞれの時代の人々のくらしぶりを読み取ることができるのです。
現代の文様は、いったい何なのでしょうか