萬古陶磁器卸商業協同組合/萬古陶磁器振興協同組合連合会
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組合の歴史
萬古陶磁器卸商業協同組合は1947年(昭和22年)に設立されました。1987年(昭和62年)に「萬古商業会館」を建設、1998年(平成10年)に萬古陶磁器工業協同組合と共同で「萬古陶磁器振興協同組合連合会」を設立します。卸商業組合として、組合の備品の共同購買品事業を行う以外に、萬古陶磁器振興協同組合連合会としてさまざまな運営を行っています。
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萬古焼の300年 今とこれから
2018年に創始者沼波弄山の生誕300周年を迎えた萬古焼。
大きな活動の一つは、今年で63回目を迎えた「よっかいち ばんこ焼 陶器まつり」です。昭和38年からはじまったこの陶器市は、10年前までは萬古陶磁器卸商業協同組合、それ以降は萬古陶磁器振興協同組合連合会が運営を行い、四日市ドームにて毎年開催しています。
また力を入れているのは一般向け、特に若い世代に向けた体験活動です。夏休みには子供向け陶芸教室を開催、成形から絵付けまでを体験、完成品を集めて、毎年冬審査を行う「子供陶芸コンクール」を開催しています。
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地域の子供たちにも萬古焼をもっと身近に感じてもらおうと、5年前から四日市市の委託事業として、小学校3年生の学校教室に出張し、萬古の話と作陶体験をする2時間ほどの授業を行うようになりました。図書館への関連書籍寄贈など、子供たちが産業に興味を持ち、将来仕事の選択肢の一つとなり、この伝統を引き継いでいってほしいと、定期的な活動を開催しています。
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また、情報発信の基地でもある「ばんこの里会館」での企画展示、イベントなどの企画も開催しています。
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一方で、産業に携わる人材を育成するための技術者育成研修にも力を入れています。萬古陶磁器工業協同組合による、萬古焼技術者育成研修プログラムの「やきものたまご創生塾」では、研修を行い卒業後は萬古焼の産業に携わってもらうという、学びから働きまでをサポートする育成塾を毎年開催。実際に卒業生の多くが残り、萬古焼づくりに携わっています。
縛られない自由さを持つ萬古
1986年(昭和61年)頃には120社もあった萬古焼陶磁器卸商業協同組合員は、いまや29社、萬古焼陶磁器工業協同組合も70-80社ほどとなりました。また、代替わりにより生産・販売スタイルも多様化してきています。
萬古陶磁器卸商業協同組合の事務長を務める石崎氏は30年以上の勤続で、萬古焼の歴史を見てきた中の一人です。氏は、萬古焼は土の指定がないこともあり、こうでないといけないという縛りがない自由さを持つ、それが萬古の良さだと言います。
たしかに萬古焼の変遷を見ていると、固定観念に囚われない色、形、模様があり、歴代の職人たちによる旺盛なチャレンジ精神や意欲が作品から感じ取ることができます。
その挑戦や創造こそが萬古の根本に流れる精神性であり、「変わり続けていくことを変えない」ことが「萬古不易」である。萬古焼の哲学がそれぞれの製品に受け継がれています。
永遠に変わらない存在である「萬古不易」。この歴史や伝統を守り、次世代へと渡していくために、2038年の開窯300周年に向けて、組合としてこれからも様々なことに挑戦していきたいと考えています。
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【組合情報】
萬古陶磁器卸商業協同組合
〒510-0035 三重県四日市市陶栄町3-18
TEL:(059)331-3496 FAX: (059)331-5914
萬古の里会館
〒510-0035 三重県四日市市陶栄町4−8 2F
TEL:(059)330-2020