第4回: 「 お茶の話」

急須 お茶の原木は中国雲南省雲貴高原に自生していたものと言われています。そこからいくつもの時代と地域を経て、広東語のチャが西は陸路を経てチャイとなり、ペルシャ語になりヨーロッパへと伝えられます。
東は海を渡り、日本の「茶」という言葉になっていきます。
 一方、福建語のテイは海路を経てTEA、THÉと英語や仏語になっていきます。
 お茶はそれぞれの地域で、様々なスタイルで飲まれるようになりました。日本では緑茶も紅茶も工夫のある方法でその器を発展させてきました。緑茶は急須、湯さまし、小ぶりの湯呑みでじっくりと味わう玉露や少し厚手の土瓶、厚手の湯呑でたっぷりと楽しむほうじ茶など種類も飲み方も様々です。
 日本では夫婦湯呑を結婚や節目の祝いで贈ることがよくあります。どっしりとした男性用と少し小ぶりの女性用と決まっていましたが、最近ではお揃いのマグカップが主流のようです。マグカップはマグと呼ばれ、大ぶりの筒状のカップにハンドルがついたものを指しますが、すでに紀元前のギリシャで使われていたようです。
 紅茶は英国で流行し今のようなスタイルになったと言われています。イレブンシス、アフタヌーンティー、ハイティーなどとお茶をいただく時間帯によって呼び方が変わり、それぞれのマナーやスタイルが生まれました。中でもアフタヌーンティーは有名で、フィンガーサンドイッチやスコーン、小菓子などを三段のスタンドにのせ優雅に大ぶりのポットからお茶をいただきます。
 いずれにしろお茶の器へのこだわりは洋の東西を問わず変わらないようです。