常滑陶磁器卸商業協同組合

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愛知県知多半島の常滑市中心市街に、「やきもの散歩道」と呼ばれる人気の観光スポットがあります。
陶器の廃材を利用した坂道を上り小高い丘につながるレンガ造りの煙突や窯、黒塀の工場などは、歴史の面影を残す独特な空間で、そのやきもの散歩道の出発点に、常滑市陶磁器会館があります。

その会館の2階に事務所を構える常滑陶磁器卸商業協同組合。
2018年(平成31年)4月に就任した事務局長の赤井氏と事務の高松さんが常駐し運営しています。
海外へ直接輸出を行っていた陶器の窯元が実家という赤井氏に、お話しをお伺いしました。

精緻な茶器・盆栽鉢が海外から注目

陶磁器会館は、「とこなめ焼協同組合(現在80社)」と「常滑陶磁器卸商業協同組合(現在18社)」の2団体が運営していましたが、コロナ禍の影響もあり、現在は常滑観光協会が運営を託されています。

25年前には60軒ほどあった組合員は、現在は18軒と減少。
次を担う世代への事業継承が課題の一つとなっているのが現状です。

近隣の瀬戸では、ニューセラミックという新しい分野を手がけることにより新たな道を開拓しています。
常滑でも次の時代の足掛かりとなる、今までとは違った分野を模索していく必要があると考えています。

また現在、海外からの茶器・盆栽鉢の輸出の引き合いがあることから、輸出もまだまだ可能性がある分野とみています。
中国などアジアからの急須の引き合いは継続的にある中、現在は盆栽鉢がヨーロッパで人気となっていることもあり、各企業が直輸出での取引を行っているといいます。

大きな枠組みでの協同購入はチカラになる 

輸出に対して積極的に行っていくにあたって直面する課題の一つが、「資材の素材規制」です。
昨今の環境問題から、梱包材への規制は世界的に年々厳しくなっており、プラスチック、非燻蒸の木製パレットでの輸出入は多くの国で禁止されています。
こういった資材に代わる天然素材緩衝材が必要となってくる今、組合では組合員へのサポートとして、資材共同購入なども検討しています。

産地それぞれの特徴的な梱包材が必要であるため、組合それぞれで開発・購入することももちろん大前提ではあります。
それと同時に、産地を越えて日陶商連というさらに大きな枠組みの中で他産地と協力しあうことで、規模感の大きな資材開発ができないか。

今後は他産地の組合と情報交換をしながら、総合的な資材開発や共同購入を検討できると、それぞれの負担も分け合って協働していけるのではないかと考えています。

常滑陶磁器卸商業協同組合

〒479-0836 愛知県常滑市栄町3丁目8
TEL:0569-35-2455

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