信楽陶器卸商業協同組合

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13世紀の鎌倉時代からやきもの作りが行われていた六古窯の一つ、信楽焼。粘り気のある陶土が特徴で、器などの小さなものから浴槽やタイルなどの大きなものまで多岐に渡って作られており、タヌキの置物でも知られている陶産地です。

古くには甕、壺、すり鉢が作られ、近代以降に入ると火鉢、傘立て、浴槽、タイルなどで暮らしを支え、発展していきました。いまでは「陶器や観光の地」として知られていますが、そこに至るまでに、様々な経緯を経てきました。

戦後、陶器の卸流通が発展し、卸問屋事業が栄えたことで小売店を持つ企業が増えることになります。それに伴い観光場所も増え、「陶器の町」として一般的に知られるようになりました。戦後の陶器卸小売事業が栄えたことを背景とし、単体として設立されたのが信楽陶器卸商業協同組合です。

信楽陶器卸商業協同組合設立の歴史

信楽陶業の組合の歴史自体は、明治にまで遡ります。1887(明治20)年に工業組合の前身である信楽陶業組合、1895年(明治28)年に同業組合が設立。1935(昭和10)年に工業組合と卸商業組合がそれぞれに設立され、1950(昭和25)年に信楽陶器卸商業協同組合が誕生しました。

1973(昭和48)年頃には一般家庭の生活水準が向上し、マイホームがブームとなったことで、陶器の販売も伸び、小売店が増加したことで65軒まで増加、現在でも34軒の組合員で構成されています。

陶器販売者を多方面からサポート ~組合の取り組み~

組合では、広報、地域活性、市場開拓、販路拡大など様々な取り組みにより組合員をサポートしてます。一例としては、資材販売、共同カタログ制作、陶器まつりへの参画などがあります。

信楽焼の大きな特徴は、食器だけでなく大型のやきものなどを扱っている点で、取り扱い製品のバリエーションの多さは全国陶産地の中でも抜きんでています。

取り扱いが多いため、梱包資材などを企業が個別で調達し、管理することは非常に煩雑で大変な作業です。そのため400種類ほどの資材は、組合が統括して仕入れ、各組合員への販売を行うことにより、負担を軽減してもらっています。

信楽焼の共同カタログの制作も大きな取り組みの一つです。3年毎に組合員の日常業務に必要な商品カタログを改訂、毎年秋には干支パンフレットを発刊しています。カタログの裏面にはそれぞれの店舗名が記載してもらえるようになっているので、各企業から全国の陶器流通先や一般消費者に配布してもらい、注文を受けるというスタイルになっており、販売も含めて取り扱い製品を知ってもらう、ということを目的の一つとして掲げています。

また、陶都・信楽まつり実行委員会が主催する「信楽陶器まつり」を信楽陶器卸商業協同組合が担当しています。組合と組合員の間で企画をし、今までの祭りを踏襲しながらも、毎年何か新しいことを考えています。

組合のこれから

陶磁器卸商業組合は全国の陶産地にありますが、誰かに相談や話ができる、そういう場があることが良さの一つであると、現理事長の奥田氏はいいます。

全員が同じ意見である必要はありません。賛成・反対様々な意見を取り入れながら、団体としての統一意思を持っていることが、それぞれが事業を行う上で、大きな力になり支えになります。

組合の存続は必要不可欠なものであり、その活力を継続していくために、組合が産業をどのように盛り立てていけるかを、模索しながら取り組んでいきたいと考えています。

組合情報

信楽陶器卸商業協同組合

〒529-1851 滋賀県甲賀市信楽町長野149

TEL: 0748-82-0039 FAX:0748-82-3403

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