国際陶磁器フェスティバル美濃’11が閉幕
「国際陶磁器フェスティバル美濃’11」は、お陰様で10月23日をもって無事終了致しました。
メインの「第9回国際陶磁器展美濃」をはじめ、陶磁器業界・市民の皆様の参加のもと、数多くの『産業振興・地域振興事業』を開催して参りました。
ここで開催した全ての事業についてご紹介したいところですが、今回は「第9回国際陶磁器展美濃」と「美濃クラフトフェア」の様子をご報告します。
≪第9回国際陶磁器展美濃≫
第1回からメイン事業として開催してきた「国際陶磁器展美濃」。
今回は、財政的な問題から海外作品の輸送費を全て自己負担にするなど、大きな改革が行われました。こうした経緯から、作品の質の低下を危ぶむ声が聞かれましたが、審査の段階からその不安は全くの杞憂であったと思い知らされ、更に展覧会をご覧頂いた皆様からは一様に好評を頂きました。
作品の傾向は、大きな作品(重量も含め)が減ったのに対し、陶芸部門・陶磁器デザイン部門ともに、小さくまとまった感がありました。また、特筆する点は、”用”に徹し、”徹底して使い手の側に立って制作”された作品がグランプリを受賞したことです。受賞された駒井さんのコメントは後ほどご紹介させて頂きます。
来館者数については、前回約27,000人だったのに対し今回は約20,000人と減っています。これは、開催日数が61日から38日(うち1日休館)になったことが大きな要因です。従って、1日当りの来館者数に換算しますと、前回約450人だったのに対し約550人と100人程度増えています。入場券の価格が800円から1,200円(当日)に上がったにも関わらず、この数字は大変喜ばしいことです。
最後に、今回の展示コンセプトについてです。今回の展示会場のデザインは、当フェスティバルの総合プロデューサー神谷利徳氏が手掛けました。神谷氏は、展示コンセプトについて以下のように述べています。
「通常の展覧会であれば、グランプリから始まり、金賞、銀賞と評価の順に並べられた作品を鑑賞して頂くのかもしれませんが、今回は審査の意図の他に、作品それぞれのエンターテイメント性を重視しました。評価の順番や、作品のジャンルも敢えてバラバラにして展示する事で、会場全体の作品を1つのエンターテイメントとして来館者の皆様に楽しんで頂きたいと考え、今回のような作品のレイアウトとさせて頂きました」。
過去の「国際陶磁器展美濃」では、部門を分けて展示することが大前提でした。従って、中央に大きな仕切り壁を設置するのが定番でしたが、今回は会場に入るとパッと開けた明るい空間に新鮮さを感じた方が多かったようです。また、大きな展示台の上に幾つもの作品を設置し、「作品名」「作者名」「制作意図」をその展示台に直接貼るという、非常に斬新なデザインでした。会場を訪れたお客様からは、「とても分かりやすく、また鑑賞しやすい」と好評でした。
【「第9回国際陶磁器展美濃」グランプリ受賞者 駒井正人さんのコメント】
今回このような国際的なコンペで受賞させて頂き、大変光栄に思っています。土のたちあげに魅力を感じて、今まで制作してきました。中でもきゅうすにとても魅力を感じて制作しています。今まで関わってきた方々のおかげでこのような賞を受賞できて、大変ありがたく思っています。
≪美濃クラフトフェア≫
「国際陶磁器フェスティバル美濃’11」企画事業の一つ「美濃クラフトフェア」を9月23日~25日の3日間、セラミックパークMINOを会場とし、又、10月1日・2日の2日間、瑞浪市の旧大湫小学校校舎を会場として開催しました。両会場とも多くのクラフトファンが訪れ、大変好評を頂きました。特に、旧大湫小学校校舎は、立地・アクセス面の問題から来場者数を不安視していましたが、木造の廃校で開催するという企画内容から、多くの来場者で賑わいました。
廃校を会場とした企画内容には、出店者からも好評を頂き、来年以降、出店者を中心とした有志での開催を検討する動きも現れ、一過性に終わらない地域振興の観点からも、大きな成果となりました。
閉幕後でも、第9回国際陶磁器展美濃の出品作品がバーチャル展示会で見ることができます。同イベントを見逃した方も、また作品を見たい方も、アクセスしよう!
バーチャル展覧会開催中 → 国際陶磁器フェスティバル美濃公式サイト