やきものハンドブックを発行しました

 2020年4月、「やきものハンドブック」(A5判、130ページ)を発刊しました。
 この本は、令和元年となる記念すべき年に「陶器の日」事業4団体協議会の有志が立ち上がり、やきもの業界に従事される方々のお役に立てる「令和版読本」として編さんしたものです。新たな令和時代にふさわしいものになるよう、この読本と合わせてVR(バーチャル・リアリティ)動画も制作し、ネットでの体験学習ができるコンテンツも盛り込みました。

 この本のルーツは1968(昭和43)年にさかのぼります。当時の百貨店卸企業のグループ「百陶会」によって「やきもの読本」が発刊されました。次いで1994(平成6)年、この「やきもの読本」を基にして、日本陶磁器卸商業協同組合青年部連合会の青年部情報委員会が中心となって「新やきもの読本」を発刊しました。この読本は大変好評となり、やきもの業界のあらゆる場面で活用されたことは、我々も記憶するところです。今回発刊した「やきものハンドブック」は、この「新やきもの読本」をベースに、令和時代に合うよう内容をアップデートしています。

 「やきものハンドブック」では、やきもの文化を後世に伝える人を増やすとともに、やきもの業界で従事する方に、普段の仕事で役に立てていただくことを目的としています。多様なやきものの中でも、特にわれわれの生活の中で普及しているやきものに焦点を当てて、その種類や呼び名、素材、装飾、製造工程、技法、歴史などを説明するほか、各産地のやきものの特徴などを紹介しています。また、やきもの業界が現在抱える課題についても取り上げ、貴重なやきもの文化が絶えることなく後世に継承していくにはどうすればいいかを問題提起しています。

 やきものの製造や開発に携わる方、販売に関わる方、やきもの好きな方などにこの本を手に取っていただき、やきもの文化の魅力をより深く知るきっかけとしていただければ幸いです。


やきものハンドブック」についてのお問い合わせ

日本陶磁器卸商業協同組合連合会
電話 0572-24-0437

百陶会の「やきもの読本」のカバー(1968年制作)
「新やきもの読本」(1994年制作)