陶器の日

陶器の日の由来は「陶瓷」(とうし)

 現代日本の陶磁器を古代にさかのぼってみると、1万年前の縄文土器に始まり、紀元前後に焼かれた弥生土器、古墳時代の後に作られた土師器、その後5世紀から12世紀頃にかけて日本の陶磁器の源流である須恵器といわれる陶質の土器が焼かれていました。

 奈良時代、平安時代になってわが国で初めて緑釉、二彩、三彩の釉(うわぐすり)をかけた陶器が焼かれ、当時これが「陶瓷」(とうし)と呼ばれました。緑釉、三彩など釉瓷の製作、技法については、正倉院文書の「造仏所作物帳」に記録が残っています。「造仏所作物帳」とは、天平5年(733年)から1年にわたって行われた興福寺・西金堂の造営と造仏に関する報告書のことで、そこに造瓷に関する部分がかなり詳しく載っています。

 古代の日本では陶器を陶瓷と呼んでいたので、陶瓷の陶を十とし、瓷を四となぞらえて、10月4日を日本の「陶器の日」としました。

*「陶瓷」について漢和辞典を引いてみると、「きめがこまかく質の硬い陶器」「磁器」と説明しています。

どんな日?

「陶器の日」は、陶器のある生活を意識する日です。

私たちの生活の中に、陶器は様々な用途で使われています。食卓を飾り、インテリアとして暮らしを彩ります。しかし、日常に当たり前にあるものに、心を留めることは少ないでしょう。産地の土地と炎と真心を感じ、改めて「陶器のあるくらし」を実感してください。